【手袋】
最近無限書庫の司書長になりました。調査依頼もだんだん増えてきて、充実した毎日だ。
が、反比例的に運動をしなくなって、体がもやしのようになってしまった。
書庫になのはが来てくれたので相談したら、次の休日に一緒に海鳴へ行こうと言われた。
断る理由もないし、久しぶりになのはと出掛けたかったので、二つ返事に了承。
三日後にトランスポーターで待ち合わせして、背が伸びたねとか、そんな風な話をしながら海鳴の街を歩く。
目的は自転車。クラナガンは意外と坂が多いので、自宅から自転車で通うだけでも、人並みな体力は身に付くだろう。
クロノもエイミィに進められて買ったようだし、お金もあったので、その場で買った。
早速明日から自転車通勤を始めてみよう。
自転車通勤を始めてみた。
正直、この時期に自転車で走るのは、あまりにも寒い。特に手が。
毎日これでは流石に拙いので手袋でも買おうかな。
かじかんだ手を擦り合わせながら仕事をしていると、なのはがやって来て、手袋をくれた。
使い心地もいいし暖かい。
汚れてしまったり解れてしまった時のために予備を買いたいが、不思議なことにメーカーの名前がどこにもない。タグもついてないし。
今度またなのはに会ったら、聞いてみよう。
なのはにメールをしてみた。
そうしたらあの手袋は、プレミア付きのレア物だ、という返事。
あわてて返すと言ったが、ツテがあってまたすぐ手に入るから、と言って、断固受け取ってもらえなかった。
仕方がないので、できうる限り大切に使おうと思う。
クロノが手のなかでカイロを転がして嘆いていた。
いわく、珍しく地上本部に用事があったので、自宅のトランスポーターからクラナガンに出た後、自転車で通勤して来たものの、手袋を忘れてきてしまった、と。
いくらクロノとはいえ忍びなかったし、その日僕は徹夜で書庫詰めが決定しているほどの請求で埋まっていたので、明日同じ時間に返してくれ、と言って貰った手袋を貸した。
あいつはアレでしっかりしているから、ちゃんと戻ってくるだろう。
明日には、請求が片づいてるといいな。
今、いじけた顔のなのはと、その後ろで般若の様な表情を浮かべたフェイトとはやてが書庫に詰めかけて来ている。
たぶん最後になるだろうから、出来る限り状況を書いておこうと思う。
フェイトの右手には、黒こげになったクロノの首根っこ。ぴくぴく痙攣している。
もちろんバルデッシュとシュベルトクロイツの矛先は、僕の額を一ミリのブレも無く狙っていて。もうダメだ。
さて、そろそろ潮時かな。すねた顔のなのはは物凄くかわいいけど、後方で膨らんでいく金色と銀色のスフィアが恐ろしすぎて、表情がひきつっているのが自分でもわかる。
この辺にしておこう。
またこの日記を開ける時が来るといいな……。
ユーノ・スク(ページが丸焦げで判別不能)