6月7日
今日は今まで通ったことのない道を通りました。
そうしましたらノラ犬が沢山いたんです。 
横を通り抜けようとしました。 
本来であれば「ウー」などと猛って食欲旺盛なことを見せ付けると思うのです。 
何もしてきません。見向きもしません。 
私という肉に、あなた方は食欲を感じないと言うのですか。 

それから少ししましたら 
幼い姉妹がママと一緒に横断歩道を渡ろうとしているじゃあありませんか。 
すると突然「♪メーロンパーン!」と歌い始めました。 
私が、じゃなくその姉妹が。 
度肝を抜かれつつその場で身体をくねらせる所でしたが 
おまわりさんにナンパされるのは気がすすまないので 
右足のスネ毛を荒々しく引き抜き、その痛みで自身を律したのです。 
まるで卓越した修行僧のごとく私は激しい萌えを制することができるのです。 

そんな私の価値をあの犬コロどもはわかって下さらない‥‥
しかし、ワンワンにも食材に対するこだわりがあるのかも知れません。 
動物の肉は脂肪より筋肉の方が美味だそうです。 
すなわちあのお犬様方は私に、より美味になれ、とおっしゃっているのかもしれません。 
あの仕打ちもそのための愛のムチだったのかも知れないじゃあありませんか。 
ええ、ムチは大好きです。お仕置きのムチも、ご褒美のムチも、ね。 

私は決心しました。 
これより地獄の筋力トレーニングを15分もこなすつもりです。 
私は何度となく死線を彷徨うに違いありません。 
しかし、それによって明日には見違えるような肉体を手に入れていることでしょう。 

あのお犬どもに本当の美味ってものをわからせてやりますよ。 



6月8日
地獄のトレーニングは3分で飽きたので 
見違えるような肉体はまだ手に入れておりません。 

トレーニングめんどくさいですね。 
すばらしい肉体どっかに売ってませんかね。 
ドンキホーテなら売ってますかね。 
第一あのワンワンどもはいなくなっちゃいましたし。 
今頃びっくりドンキーでカニ缶でも食っていることでしょう。
私はおカユ食べました。


そうしましたら
ゼペット爺さんがおカユの中から出てきました。 
お前ピノキオだろって。 
人違いもはなはだしいですね。 
人違いだと丁重に申し上げました。 
それを聞いたゼペット爺さん嘘をつくなと鼻を引っ張り始めました。 
鼻が伸びない。おっかしいなぁ。って 
さすがにもう歳だなぁって少し残念に思いました。 
ほんの少し。 

そうしましたら操り人形に付き物のあの糸を付けようとします。 
さすがに痛いです。第一あやつって何をさせるつもりでしょう。 
こころなしか爺さんの眼がギラギラしています。 
なるほどピノキオとゼペット爺さんはそのような関係だったのですね。 
でもさすがに辛抱しきれずゼペット爺さんに言いました。 
いいかげんになさいと。 
ほんとにいい歳してロクでもない事しかできない仕方のない見るのも恥ずかしい乾燥ニンジンめ! 
そんな情けない顔でこっちを見ないで頂戴! 
アメリカドルに換算したら1セントにも満たない役立たずのごくつぶしの能無しが! 
勘弁して欲しければテーブルの上でバタフライしながら世界新!世界新!って叫び続けるがいいわ! 
これからショッピングに行ってくるから帰ってくるまで一人きりで続けるのよ!いいわね! 

慈悲深い私は相手がご老体ということを考え、 
オブラートにオブラートを重ねて言葉を選び抜いてやさしく諭したのでした。 
さすがのゼペット爺さんもしおらしくなりました。 
ほんのり頬を紅潮させて瞳を潤ませ、息遣いが荒くなっていますが気にしません。 
満足した私は回れ右してその場をさっそうと去るのでした。 

すると突然 


ゼペット爺さんがピカピカ光り出したかと思うと、 
ムクムクと巨大化し、太くたくましく 

なったと思ったらパカッと割れて中から小さくて可愛らしいピノキオが産まれました。 
可愛い可愛いピノキオ。ハァハァ 

しかしジャイケル・マクソンのような醜態をさらすわけにはいかないので、 
例のごとくスネ毛を荒々しく引き抜こうとした、瞬間 
向かいの電気店に飾られているハロゲンヒーターが火を噴きました! 
私のスネ毛に着火します。 
火事です! 
私のスネ毛が火事です! 
野次馬は集まる一方ですが、誰一人として消火しようという方はいらっしゃいません。 
皆さん指を刺して私をあざ笑っていらっしゃいます。 
しかし、さすがに消火してやろうという気分になったのか 
明らかに面倒くさそうに電話で消防車を呼びます。 
この場で水をかけて消そうという人はいらっしゃらないのでしょうか。 
そうしている間に生まれたてのピノキオはすくすくと巨大化し、 
黒皮ベストときつめなレザーの短パンといういでたちのピノキオは今にもはちきれんばかりの肉体です。 
そうです。これです。この肉体を私は求めていたのです! 
この肉体なら、あの憎っくきグルメワンワン達も泣いて許しを請うはずです。 
「もう勘弁してワン」 
今から連中の情けなく仕方のない有様がまぶたに浮かびます。 
しかし 
「今からボク鬼退治に行ってくるピノキオ!」 
産まれたてのくせに何か一発キメているんでしょうか。 
ギラギラしたピノキオの目にブルリと身震いします。 
逆らうと私のお尻を退治しかねないので 
鬼の皆さんには申し訳ないが地球と私の平和のために犠牲になってもらう事にします。 
お話のとおりなら鬼ヶ島に行く途中でクジラに飲まれて絶命するはずです。 

ピノキオに保険をかけてから羽田空港まで送りました。 



6月15日
病院の肛門科に鬼が行列を作っているそうです。 

すなわち 
奴はまだ生きています。 

鬼の皆さんには気の毒な事をしてしまいました。 
しかしピノキオは一向に帰ってきません。 
もしや新しい頭目として鬼ヶ島に君臨しているのでしょうか。 
ボヤボヤしていると 
新たな世界に目覚めた鬼のお兄さま達を引き連れて日本に上陸するかもしれません! 
早急に手を打たなければなりません。 
今や日本全国の男性の無垢なヒップが絶体絶命なのです! 

私はさっそく首相官邸におもむきました。 
警備員5人に犬のフンで追い返されました。 


首相官邸の鉄壁の警備体制に泣きながら帰宅しました。 

仕方がないので民間レベルで警告を発しようと思います。 
まず一番危険なのは‥‥
そうです。ジョニーズ事務所です。 

私の知人が申しておりましたが、 
フランス人の"お兄さま"などは 
「ジャパニーズボーイ トテモ カワイイ ハァハァ」 
などと のたまうそうです。 
ジャイケル・マクソンあたりなら 
「キミノ カッパ巻キヲ 食ベサセテホシイ フーッ」 
と言ったところでしょうか。 
すなわち、日本男児は外人男性にもてるのかも知れません。 

鬼のお兄さま方も例外ではないでしょう。 

危険です。 
早速ジョニーズ事務所に愛の電話をします。 
「気を付けて下さい。おたくのお尻を狙ってますよ。ハァハァ」 
翌日、自宅に犬のフンが届きました。 
なぜでしょう。分かって貰えません。 

こうしている間にもピノキオ&鬼ヶ島ズはムクムクとたくましくなっているに違いありません。 
来るべき惨劇に備え、容姿端麗かつキュッと締まったお尻をお持ちの男性は 
核シェルターか7ケタ以上の金庫に避難する事をお勧めします。 

女性はデジカメかハンディカムを用意しておきましょう。 



6月18日
鬼電波です! 

ついに鬼ヶ島から鬼電波が日本に向けて放射されました! 
わかります!わかりますとも! 
ピノキオ&鬼ヶ島ズめ! 
日本の"男の子たち"を鬼電波によって誘惑しているのです! 
これではどんなにたくましい自衛隊員もしなびた乾燥ニンジンです! 
「もう護国とか言ってらんない。ハァハァ」 
もはや日本の防衛ラインは色々と汚されたアンパンマゾです! 
「硬くならないアンタなんて用済みだわ!この能無しの役立たず!」
バイキンめ!なんて仕方のない奴でしょう!制裁と再教育が必要です! 

ああっなんという事でしょう! 
私の愛の巣 上空にもピンク色の電波が飛び交い始めました! 
このままでは電波に汚染されてしまいます! 
どうしたら‥‥ そうです! 
今こそ以前購入しておいたセルフ・ディフェンスマニュアルが活躍する時ではないでしょうか! 

・特集〜ノンケ男を確実にミッションコンプリート!!青森CITYの穴場〜 
・読みきり漫画『隊長♪申し訳ありません!』部隊を危険にさらした二等兵に制裁が〜 
・熱く固い友情を愛情に変換せよ!あなただけに教える10の掟〜 

何ですかこれは! 
カバーと中身が違うじゃありませんか! 
あの本屋のオヤジめ! 
いつもギラギラした目で私をチラチラ見てると思ったらこんな仕掛けをほどこしていたとは! 
オヤジに対する制裁と再教育は後日、日を改めて念入りに行う事にします。 
ああっもうグズグズしていられません! 
窓から電波が侵入をこころみているではありませんか! 
ひとまず安全な場所を求めて避難します。 
これから日本はどうなってしまうのか‥‥


家を出たとたん片手に石鹸を持ったノースリーブ黒服のたくましい男たちに囲まれました。 
非常にデンジャラスです。 
昔、新宿で白いランニングシャツの中年男性に道を阻まれた事がありましたが、 
それ以上の濃厚なプレッシャーです。 
このお兄さま達は鬼電波で汚染済みなんでしょうか。 
こんなヤバイ状況だってのにオラなんだかすっげぇワクワクしてきたぞ! 
「サァ、大人シクシヨウネ。」 

気がつくと、やったらめったら豪勢なつくり部屋にいます。 
こころなしかお尻がヒリヒリしていますが気にしません。 
「気ガ付イタヨウダネ フーッ」 
背後から聞き覚えのある声がします。 

ああ! 

なんてこと! 
ジャイケル・マクソン! 
世界で最もデンジャラスな男!ジャイケル!! 
ジャイケルめ。鬼電波が御所望のようです。 
今度こそ本物のネバーランドを作るつもりです。 

なぜか鬼退治に同行させられる事になりました。 
早速ジャイケルジャイロに乗せられます。 
いやだ!こんな恥ずかしい乗り物いやだよ!ママ! 
飛び立つと同時に名曲「デンジャラス」が流れます。 
恥ずかしいのでスピーカーのスイッチをオフにしようとすると 
「ポーゥ!! 汚ネエ手デ 触ルンジャネェ!!!」 
怒られてしまいました。 
気まずいので下を眺めます。 
神の視点です。人がゴミのようだ! 
するとどうでしょう! 
今や日本全土が巨大なハッテンバと化しています! 
いたるところでカメラのフラッシュがまたたいています。 
なんて情けなく仕方のない光景でしょう!もう目も当てられない。 
見るも恥ずかしい近代国家、日本! 
必ずや元に戻して見せます! 
いや、戻らないかも。 

ついに鬼ヶ島へ突入する。 



6月20日
ついに鬼ヶ島に上陸した私たち! 
しかし、鬼の姿が見当たりません。 
おそらく我々を待ち伏せているのでしょう。 
と、その時! 
我々が見たものは! 
当たり一面に展開される大量のエビグラタン! 
うかつでした! 
私たちはエビグラタンに包囲されていたのです! 
絶体絶命! 
私たちは鬼ヶ島で最も危険なプレイスポットに上陸してしまったようです。 
鬼の皆さんの鬼のような仕打ち! 

と、その時! 
ジャイケルに無線が入る! 
日本国総理からです! 
ええ?! 
なんて事! 
鬼のお兄さま方が日本に上陸したそうです!! 
入れ違いだったのです!! 
すぐに日本に引き返さねば! 
しかしジャイケルの目当ては鬼電波なので引き返そうとしません。 
「ヘヘッ帰リタキャ泳イデ帰リャイイジャネェカ、アアン!ハァハァポーゥ!フシュシュシュシュ!」 
いつもの温厚なジャイケルではありません。 
鬼電波が彼を変えてしまいました。 
悲しみにくれながら鬼の城に到着しました。 


城の中にお邪魔します。 
やはり誰もいらっしゃいません。 
いえ、奥に子鬼さんがいらっしゃいました。 
子鬼
一応ジャイケルを近くの柱に縛り付けてから話を聞きます。 
「ポーゥ!ボクヲ誰ダト思ッテイルンダイ!世界ノジャイケル様ダゾウゥ!! アーゥ!!」 
子鬼さんに鬼の皆さんはどうしたのか聞こうと 

思ったら問答無用で全員殴られました! 
大空高く舞い上がる! 
もう日本上空に到達しました! 
鬼電波を手に入れてないジャイケルは怒っています。 
「ボクノネバーランドヲ返セ!今スグ返セッテンダチクショウ!ポーゥ!」 
街の状態は‥‥ あまり変わった様子がありません。 
アベックの片割れが鬼のお兄さまという以外は。 
かなりスムーズに。 
むしろ積極的に日本征服はミッションコンプリートした模様です。 
この様子では自衛隊駐屯地も愛の巣と化している事でしょう。 
首相も今頃励んでいるに違いありません、どうすれば‥‥
「ただ今より日本新政府首相のお言葉を放送いたします。」 
街頭テレビジョンです。 
むう。やはりピノキオ!! 
新政府首相はピノキオです! 
ああ!こんな形でお目にかかろうとは! 
「始めまして。国民の皆さん。ボクが新しい日本の指導者ピノキオ‥‥」 

あ 

あああ!!!! 
ピノキオが脱皮し始めました!! 
中から現れたのは!!! 
「フハハハ ソウ、ボクデスヨ、皆サン。ルゥイージデスヨ」 
キノコを握りしめると2倍以上に大きくなる好色なイタリア人、マリヲの弟、ルゥイージ!!

「新シイ指導者トシテ国民ノ皆サンニオ願イガアリマス。 
首相官邸ニボクノ兄、マリヲ ヲ見ツケ、連レテキテ欲シイノデス。
タダシ、
傷ツケテハイケマセン 」

「 ‥‥ソウ、傷ツケハシナイヨ、兄サン‥‥フッフフッ ハァハァ 」

「ハァハァ イツダッテ兄サンハ ボクノ気持チニ気ヅコウトハシナカッタ‥‥
分カッテルクセニ‥‥
ボクトイウ弟ガアリナガラ! ボクヲ目覚メサセテオキナガラ! 
ボク以外ノ男ヲ何人モ抱クナンテ許セナイ!! 
兄サン。 ボクハ兄サン以外ノ男ハ見テイナイカラネ‥‥ 」

「ハァハァ 早ク連レテ来テクダサイ。御褒美用意シテ待ッテマス。」 



6月21日
ジャイケルをマリヲに変装させて首相官邸に潜入する事にしました。 
首相官邸へ行くと、マリヲが列をなして順番待ちをしています。 
ああ、やっぱりマリヲはたくさんいたんだ。そうです。穴とかに落ちて助かるわけ無いもの。 
列に並んで待っていると亀の子タワシが配られました。チクチクして痛い。 
痛がっているうちに中へ通されました。 

筆記試験があるという事なので私は別室に通されます。 
すると、部屋には黄金の玉座に座った全裸のルゥイージがいました。 
とりあえずタワシを投げつけてみます。
「痛イ!」 
「久シブリニ再会シタトイウノニ酷イ人デス!」 
元ピノキオめ、日本を元に戻しなさい。 
「無理デスヨ」
やっぱり。 

ご褒美はどうなっているんだろう。 
「アナタノ連レテ来タ マリヲガ本物ナラ高級一戸建テト エビグラタン一年分ヲ差シ上ゲマス」 
エビグラタンはもういい‥‥
「シカシ、アナタハ御褒美ヲ受ケ取ル事ハ出来ナイデショウ。ナゼナラ アナタハ不合格ダカラデス」 
ルゥイージの言葉と同時に部屋にジャイケルが両脇を抱えられ連れてこられる。 
バレました。 
考えてみれば私が連れてくるマリヲを本物と思うはずがありません。 
ああ、お間抜けな私! 

ジャイケルが開放されました。 
「ソウ、本当ニ君ハオマヌケサンダヨ。フーシュシュシュシュ!」 

鬼ヶ島に私を同行させた理由がわかりました。 
日本から私を遠ざけるため、 
ジャイケル!キミも鬼の一味だったんだね。
 
そう思っていると 
突然ジャイケルは 
僕の見ている目の前で 
ツナギのホックを 
はすしはじめました‥‥! 

そして、 
ホックが終着点に到達すると、中から 熱く 大きく たくましく膨れ上がった 
マリヲが生えてきました! 

ジャイケルの正体はマリヲだったのです! 


「兄サァ〜ン、オ帰リ。寂シカッタヨォ〜〜。コノ人ニ変ナ事サレナカッタ? ンフゥーッ」 

「大丈夫サ。俺ノ可愛イ子犬チャン。今日モ緑ノ帽子ガバッチリSexyダヨ。ハァハァ」 
ああ、なんて仲睦まじい!あの演説は私を油断させるための嘘っぱちだったようです。 

「サ〜テト!君ナンカモウ用済ミダケド、ドウシヨウカ兄サァン。 
ヒトマズ首相官邸ノメイドニデモナッテモラオウカ。ンーフフフフフゥッ」 

「ククク言ウ事ヲホイホイ聞イトイタ方ガ身ノタメナンダナ。 
俺ラハ ノンケ ダッテカマワズ食ッチマウンダゼ。ハァハァ」 

「ンーフフフゥッ 兄サァ〜ン。スゴイ事言ウネ。ゾクゾクシチャウヨ。ンフゥンフフフフゥッ」 
またいちゃつき始めました。それも濃厚に。ホントに仕方の無いブラザーズです。 

その時、テレビジョンからニュース速報が流れました。 
「鬼ヶ島人民開放放送局からお届けいたします!!! 無残にも日本を追われ、残虐非道なアメリカンに
命からがら亡命した哀れで無能な日本国元首相が 見苦しくも土下座して号泣しながら鼻水を流し
よだれを垂らし、全身から滝のような汗をしたたらせ、人体から産み出せる全ての液体を放出しながら
アメリカン大統領の足にすがりついて会談したところ、”自分ノ ケツハ自分デ拭ケナサイ”と言われ、
ベッドルームに連行されました!!! アッハハハハハハハハハハ!!!」 

ああ!日本は世界から見放されました! 
私は全ての気力を失い膝をつくのでした。 

その後、在日米軍が日本から撤退を始めました。 
それと同時に鬼電波に汚染された大量の脱走兵が日本に亡命を求めてきました。 
もう安保とか言ってらんない。ハァハァ 
そして、それを境に世界中から"お兄さま"方が日本に集結を始めたのです! 
もう国民の団結力は棒のように硬いのです! 
世界に名だたるハッテン大国ニッポン!! 
逆らうとあなたの国にも鬼電波をお届けしますよ! 
そして更なるハッテンを遂げ、 
国連を色々な意味で後ろからあやつり、 
世界に君臨する大日本鬼ヶ島人民共和国!!! 

もう将軍様すら あのお二人には逆らえない‥‥



私はというと結局 首相官邸のメイドになりました。 
毎日お尻の危機にさらされていますが 
通信教育で身につけた殺人カラテで乗り切っています。 
ノースリーブのシャツに蝶ネクタイ。きつめなレザーの短パンというSexyな制服を身に着けると 
身も心もお尻も引き締まります。 

明日、子鬼さまとそのお友達方を千葉ディズヌーランドにお送りする事になりました。 
お送りするだけ。私は入り口で待機。 
私は自身の無力を痛感し、涙するのでした。 







ノンフィクショニングプライベイティング日記

『決戦!鬼ヶ島』      完 



( ゚Д゚ )
さっきですね。おでん食べてました。 
そうしましたら 
宇宙から単身赴任の人が窓から入ってきました。 
おでんの匂いにつられたそうです。 
なんか疲れた顔をしているから、はんぺんと卵をあげました。 
しばらく食べながらお話しました。 
すると 
フッとうつむきました。 
故郷が恋しいって。 

飲めないお酒をたくさん飲んでベロンベロン。 
異星人とは合わないって。たいへんですね。 
納豆にはどうにか慣れたけど、いまだにワサビがダメだそう。 
今度お子さんが小学校に入学するんだけど、入学式に行けないのがさびしいって。 

もうすっかり酔いつぶれて、 
フラフラだからタクシー呼びました。 
外でタクシーを待っていると 

いいや!もう! 
いきなり大声で。 

会社辞める!子供の顔も見れないなんて、バカだよ!こんなの! 
実家帰る!帰って家業継ぐ!会社勤めなんて! 

タクシーがきたので 
泣きじゃくる宇宙の人をなだめて乗せました。 
すると、窓ガラスをあけて顔を出します。 

悪かったね。あんたいい人だね。 
そうだ。 
僕の星見たらさ、願い事してみなよ。 
きっと叶うから。 

故郷の星を指差そうとすると曇り空で星がほとんど見えません。 
宇宙の人は気まずそうに笑うとタクシーで帰っていきました。 

曇り空を見上げながら宇宙の人の星を探しました。 
うっすらとしか見えない中、一つだけ明るく輝いている星がありました。 
違ってもかまわないので、願い事をしようと手を合わせ 




た瞬間!私の肉体がギラギラ輝き始め、どんどん太くたくましくなっていきます!! 
封印された内なるチャクラが目覚めてしまったようです!! 非常に危険です!! 
すると 
宇宙の人がタクシーをものすごい勢いでバックさせて戻ってきました!! 
なんということでしょう! 
宇宙の人が宇宙服を脱ぐと、中から太り気味、いやむしろ太い黄色いネズミが出てきました!! 
「キュキュキュキュキュ 手間かけさせやがってキュー!!」 
助手席から赤い帽子を被った頭の悪そうな小学生が出てきました!
「ゲットだぜ!!」としきりに叫んでいます!! 
何か一発キメているのでしょうが最近は小学生も危険なので見て見ぬふりをします。 
その隙にネズミが私のお尻に強力なエレキマグナムをお見舞いしました!! 
強烈!!以前地元のスーパー銭湯で味わった電気風呂以上の妙なるハーモニー 
私はその場で気を失うのでした。 

‥‥私は今、改造手術を受けています。 
手術の合間に総統と呼ばれる偉そうなチョビ髭からありがたい説教をいただきます。 

私は、生まれ変わるのです。 

今はまだ無理ですが 
間もなくエレキネズミの刺客として地球を恐怖のどん底に陥れて差し上げます。 

それでは、また。


決戦!鬼ヶ島 薔薇タワー